みなさんは、鉄骨材の「H形鋼(エッチがたこう)」というものをご存じでしょうか?
現在、H形鋼は都市開発・道路整備・高層建築物・造成地・橋梁・岸壁など、あらゆるシーンに欠かすことができない鉄骨材です。
では、H形鋼とは一体どんな鉄骨材で、どんな特徴があるのでしょうか。
今回は H形鋼とは一体どんな鉄骨材か?H形鋼の5つの材質の種類! について詳しくご紹介します。
H形鋼とは一体どんなものか?
みなさんはH形鋼とは、一体どんなものかご存じでしょうか?
H形鋼を一言でいうと「ローマ字のHの形の断面をした鉄骨材」のことです。
H形鋼は、現在あらゆるシーンで使われており、最も代表的な鉄骨材です。
そのため、一般に鉄骨材といえば、H形鋼のことを指します。
H形鋼の5つの材質の種類
H形鋼は用途別に、一般構造用鋼・溶接構造用鋼・建築構造用鋼・耐火鋼・耐候性鋼の5つの種類の材質に分かれます。
H形鋼の5つの材質の種類について、それぞれご紹介します。
①一般構造用鋼
一般構造用鋼とは、正式名称を「一般構造用圧延鋼材」といいます。いわゆるSS材のことです。
鉄骨造ラーメン工法では、小梁・間柱などの二次部材で使われています。
➁溶接構造用鋼
溶接構造用鋼とは、正式名称を「溶接構造用圧延鋼材」といいます。いわゆるSM材のことです。
鉄骨造ラーメン工法では、梁などに使われています。鉄骨鉄筋コンクリート造では柱・梁などに使われています。
➂建築構造用鋼
建築構造用鋼とは、正式名称を「建築構造用圧延鋼材」といいます。いわゆるSN材のことです。
鉄骨造ラーメン工法では、大梁に使われています。SM材よりも高価で、溶接性が高く、靭性も高いという特徴があります。
④耐火鋼(たいかこう)
耐火鋼とは「Fire Resistant Steel(ファイヤー・レジスタント・スチール)」のことです。いわゆるFR材のことです。
耐火鋼を一言でいうと「火に耐性がある鋼材」のことです。
一般的な鋼材は、350℃で耐性が下がります。対する耐火鋼は600℃という高温でも耐性が落ちません。
耐火鋼を使うメリットは、耐火被覆(たいかひまく)の省略が可能になることです。結果、「鉄」の質感をそのままデザインの一部として利用することができます。
また耐火被覆とは、ロックウール(粒状綿)とセメント(硬化剤)をミックスして、鉄骨材を火災の熱から守るための被覆のことです。
⑤耐候性鋼(たいこうせいこう)
耐候性鋼とは、建築関係からは、コールテン鋼・コルテン鋼と呼ばれています。
表面に保護性錆を造るように開発された低鉄合金鋼のことです。
表面に発生する錆が、保護膜となり内部まで錆が腐食せず、劣化や朽ち果てることがありません。
メリットは、無塗装・無被覆で良く、メンテナンス費用を大幅に低減できます。
また、デザイン的にも美しい茶褐色のカラーリングが魅力です。