みなさんは鉄骨工事には、通常2つの方式の建て方があることはご存知でしょうか?
それぞれ「建て逃げ方式」と「水平積み上げ方式」といいます。
この2つの建て方の方式は、鉄骨造のタイプと周辺環境によって採用されます。
では「建て逃げ方式」と「水平積み上げ方式」とは、それぞれ一体どんなものなのでしょうか?
今回は『鉄骨工事での「建て逃げ方式」と「水平積み上げ方式」とは?』についてわかりやすくご紹介します。
※ただし実際には、細かく分けると2つ以外にも様々な建て方があります。
建て方とは一体どんなものか?
みなさんは「建て方(たてかた)」とは、一体どんなものと思いますか?
鉄骨工事の建て方を一言でいうと「鉄骨材で、骨組みを組み立てること」をいいます。
この時に、実際に現場で建て方を担当するのが、鉄骨鳶(てっこつとび)です。
建て方の流れとは?
こちらでは、一般的な鉄骨工事での、建て方の流れをご紹介します。
クレーンで鉄骨材を吊り上げ、鉄骨鳶が鉄骨材をつなげ、ボルトで仮止めをします。
仮止め後、建物が土地に対して、垂直に立っているかを確認します。
垂直の調整が完了したら、ボルトを本締めします。
最後に、鉄骨同士を溶接工が溶接をして、建て方は完了します。
①建て逃げ方式とは一体どんなものか?
みなさんは、建て逃げ方式 とはどんなものと思いますか?
鉄骨工事の建て逃げ方式 を一言でいうと
「鉄骨の建物を片側から建て方をして、横か後ろに逃げていく建て方」のことです。
〇建て逃げ方式の特徴とは?
建て逃げ方式の特徴は、各スパン(横単位)ごと、最上階まで建て方を行うことです。
到達後は、横や後ろに移動して、再度同じように建て方を繰り返します。
ところで、建て逃げ方式を行うには、クレーンが移動するだけの敷地が必要になります。
敷地が狭いと、建て逃げ方式は難しくなります。
建て逃げ方式が採用される建物は、クレーンが移動できる敷地がある、あまり高くない低中層ビルです。
〇建て逃げ方式に使われるクレーンとは?
建て逃げ方式には、次の移動式クレーンが使われます。
・クローラークレーン
・トラッククレーン
・油圧伸縮方式クレーン
・ラフタークレーン
・タワー式クローラークレーン
➁水平積み上げ方式とは一体どんなものか?
みなさんは、水平積み上げ方式 とはどんなものと思いますか?
鉄骨工事の水平積み上げ方式 を一言でいうと
「鉄骨の建物を、下から上へ順番に組み立てる建て方」のことです。
〇水平積み上げ方式の特徴とは?
水平積み上げ方式の特徴は、1節(セツ)の段を全て組み建てます。
完了後、2節、3節と上節に向かって建て方を繰り返します。
建て方は、常に上に向かって逃げるイメージです。
こちらは、建物の敷地だけでよく、クレーンが移動する敷地は必要ありません。
水平積み上げ方式が採用されるのは、タワーマンションなどの高層階ビルなどです。
ちなみに鉄骨の節(セツ)とは、鉄骨部材の単位のことです。
通常は2~3フロア分を1節と呼びます。
〇水平積み上げ方式に使われるクレーンとは?
水平積み上げ方式には、次のクレーンが使われます。
・タワークレーン