みなさんは、鉄骨工事に関係する部品で「溶融亜鉛メッキ高力ボルト」というものがあることはご存じでしょうか?
溶融亜鉛メッキ高力ボルトは、鉄骨工事で使われる高力ボルトの1つです。
では、溶融亜鉛メッキ高力ボルトとは一体どんなもので、鉄骨工事とはどんな関係があるのでしょうか。
今回は 溶融亜鉛メッキ高力ボルトと鉄骨工事 溶融亜鉛メッキ高力ボルトとは についてわかりやすくご紹介します。
※溶融亜鉛メッキ高力ボルト(ようゆうあえんめっきこうりきぼると)と読みます。
溶融亜鉛メッキ高力ボルトとは一体どんなものか?
みなさんは、溶融亜鉛メッキ高力ボルトとは一体どんなものかご存じでしょうか?
鉄骨工事に関係する溶融亜鉛メッキ高力ボルトを一言でいうと、
「亜鉛被膜に覆われた高力ボルト」のことです。
溶融亜鉛メッキとは何か?
溶融亜鉛メッキとは、高温で溶かした亜鉛に鋼材をつけ、鋼材の表面を亜鉛被膜で覆う技術のことです。
溶かした亜鉛の温度は約440~460 ℃です。
冷却後、表面はシルバーになり、亜鉛の結晶化による斑模様が表れます。
亜鉛メッキ槽に浸けることから、通称ドブづけ・テンプラなどと呼ばれています。
溶融亜鉛メッキにする理由とは?
溶融亜鉛メッキにする理由は次の2つです。
①サビ止め
溶融亜鉛メッキにすることで、表面に亜鉛の酸化被膜が張られます。
空気や水に直接鋼材を触れさせないことから、サビが発生しにくくなる効果があります。
➁キズ止め
溶融亜鉛メッキにすることで、鋼材本体をキズから守ります。
もしメッキ層にキズが入ると、亜鉛が先に溶けだし、被膜を作り鋼材を保護してくれます。
これら2つの理由から、溶融亜鉛メッキ高力ボルトには、溶融亜鉛メッキが塗られています。
溶融亜鉛メッキ高力ボルトの等級
溶融亜鉛メッキ高力ボルトの等級は「F8T」になります。
「F8T」の機械的性質・亜鉛付着量・ボルト締めの方法は次の通りです。
①引張強度
引張強度:800~1000N/mm²
引張強度とは素材を引張った時に、破断するまでに要した力によって求められる機械的強度のことです。
ちなみにトルシア形高力ボルトが、引張強度:1000~2000N/mm²です。
よって、溶融亜鉛メッキ高力ボルトの引張強度は、トルシア形高力ボルトよりも低いということになります。
また、機械的性質とは、引張り・圧縮・せん断などの外力に対しての耐久性を数値化したものです。
➁亜鉛付着量
亜鉛付着量:550g/m²以上
亜鉛付着量とは、鋼材の表面を覆う亜鉛の㎡あたりの重さのことです。
結果、溶融亜鉛メッキ高力ボルトの亜鉛付着量550g/m²以上は、鉄骨鋼材のメッキ付着量と同じくらいの量ということになります。
➂ボルト締めの方法
ボルト締めの方法:ナット回転法
ナット回転法とは、ナットの回転角度により、締めを判断する方法です。
溶融亜鉛メッキ高力ボルトのボルト締めの方法は、ナット回転法が採用されます。
溶融亜鉛メッキ高力ボルトが鉄骨工事で使われる場所
溶融亜鉛メッキ高力ボルトは、亜鉛被膜で覆われていることから、サビに強いという特徴があります。 よって、屋外などの雨ざらしの場所で使うことに向いています。